2020/05/28 12:15
みなさまこんにちは。
4410ARTの宍戸でございます。
新緑も力強く芽生えてくる今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか。
街を歩けば、様々樹木から落ちる木漏れ日を目にするとは思いますが、気持ちがいいですよね。
初夏の頃の木陰って。
壁に写っても心をはっとさせられますし、地面に落ちてもそのコントラストは心地よさを演出してくれます。
それに暑くなればなるほど、日向と木陰の温度の差に体も救われますよね。
僕もそんな木陰や木漏れ日がとっても大好きで、このような絵を描きました。
みなさんは、樹木が映す木陰にはどのような思いが心の中に浮かぶでしょうか。
そんな誰かの心の中の木陰を、お部屋の中から演出できればいいなと思っております。
「日曜日の朝に」というタイトルの作品です。
No.La-001「日曜日の朝に」ジクレープリント額装 L size
この作品にもこんな小さなストーリーがついております。
《 ストーリー 》
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✦日曜日の朝に
よく晴れた午前中の日差しは日曜日にふさわしく、通り行く人々の表情を華やかにしていた。
「昨日もここを通ったね」
「うん」
「この道が好きなの?」
「そうよ。あなたは?」
「僕も好きだよ。日曜日の朝に君とこの道を通るのをずっと楽しみにしているんだ」
そう言うと彼女は、小さな鳥が鳴く方を見て、眩しそうに目を細めた。
「あなたは無人島にいかなければならなくなったら何を持っていく?」
僕の方を振り向くと彼女はそう言った。
「そうだな……、小さな花の鉢とラジオかな」
「ふうん」
それから僕らは特に言葉を交わすわけでもなく歩きつづけた。
「ほらついたよ、門があいてるね」
「私達と同じように、お弁当を食べに来てるのね」
僕らは見晴らしの良い芝生のところまで歩いた。
「この辺りでいいかしら」
「うん、遠くの山がくっきりと見えるね」
「この布を敷いてくれる、お弁当を出すから」
彼女は淡いグリーンに花柄のある布を僕に渡した。
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